01転職を決意したきっかけ
医学部卒業後、都内の大学病院で消化器外科の常勤医として12年勤務してきました。研究・教育・臨床の3本立てで多忙な日々を続けてきましたが、子どもが小学校に上がるタイミングで、家庭時間の確保と臨床への集中を両立できる環境に移りたい思いが強くなりました。最大の動機は、当直回数が月8〜10回と多く、夜間呼び出しも頻繁で、家族との時間がほぼ取れない生活が続いていたことです。大学病院の年収は850万円前後で頭打ちでしたが、神奈川県内の市中病院に移れば当直月4回以下で年収1000万円以上は十分狙えると先輩医師から聞いていました。妻とも相談して、横浜在住の通勤環境を維持しつつ、家族時間を確保する方向にキャリアを再設計する決断をしました。研究を諦めるのは大きな決断でしたが、40代前半は体力・家庭・臨床力のバランスを取り直す最後のタイミングだと感じていました。臨床に専念して長く医師として働きたい意思が原点でした。
02転職活動で一番大変だったこと、どう乗り越えたか
もっとも大変だったのは、大学病院を辞めることへの教授や同僚からの反対でした。所属していた医局では、市中病院移籍はキャリアダウンと見る文化が根強く、教授からは博士取得後5年は研究を続けるべきと強く引き留められました。エムスリーキャリアの担当者と相談して、市中病院移籍は医師のキャリアパスとして年々一般化しており、臨床力の維持・向上にも有効ですとデータを示しながら、医局と家族に説明する材料を整えました。次に大変だったのは、当直回数の上限設定を契約段階で書面化する交渉でした。一般的に医師の雇用契約は当直回数を明記しないため、入職後に増やされるリスクがあります。担当者が病院側と粘り強く交渉してくれ、当直月4回以下を契約書に明記する形で合意できました。教授との関係も最終的には円満に維持でき、医局との関係を切らずに移籍できた点も大きな成果でした。
03書類・面接で工夫したこと、効果があったテクニック
工夫したのは、応募先の市中病院ごとに自身の症例構成と病院ニーズのマッチングを数値で示したことです。大学病院での12年分の手術件数を、術式別(腹腔鏡下手術・開腹手術・内視鏡治療)に整理し、応募先病院の症例構成と照らし合わせて自分が即戦力になれる根拠を提示しました。担当者から市中病院は即戦力性で評価が決まりますと教わり、その通り念入りに準備した結果、書類通過率が大幅に上がりました。次に工夫したのは、当直回数・夜間呼び出し対応・救急受け入れ範囲の3点を、応募段階から条件として明示したことです。一般的に医師の応募ではデリケートな条件を後出しにする慣習がありますが、エムスリーキャリアの担当者は最初から条件を出すほうが結果的にミスマッチが減ると助言してくれ、その通りの結果になりました。書面化までこぎつけたことで、入職後のトラブルもゼロでした。
04エージェント担当者とのやり取りで印象に残ったエピソード
エムスリーキャリアの担当者は40代男性で、医師業界15年以上のキャリアコンサルタントでした。初回面談で大学病院から市中病院への移籍は、40代前半外科医の家庭時間確保とキャリア継続の王道パターンですと医局事情も踏まえて方向付けてくれたのが、その後の活動の自信につながりました。横浜・川崎エリアの市中病院を10件ピックアップしてくれ、その中から症例構成・当直体制・院長の人柄の3軸で2施設に絞り込みました。最終的に内定を得た横浜市内の市中病院では、当直月4回以下・救急受け入れは時間帯指定可・年収1100万円という条件を、すべて担当者が書面化交渉してくれました。教授への退職挨拶のタイミングや言い回しまで助言してくれ、医局との関係を切らずに移籍できた点も大きな成果でした。担当者の業界知識と医局事情への理解は他社では得られない水準でした。
05転職して良かったこと/後悔していること
良かったのは、念願の市中病院移籍ができたこと、年収が850万から1100万に上がったこと、当直回数が月8回から月4回に半減し家族時間を確保できたこと、医局との関係を切らずに円満退職できたことです。40代前半で体力・家庭・臨床力のバランスを取り直せたのは大きな財産です。担当者の業界知識と医局事情への理解も大きな安心材料でした。気になった点は、エムスリーキャリアの主軸は医師専門の案件のため、医療業界以外のキャリアパス(製薬・行政・ヘルステック)の提案は薄めだった点です。臨床医継続の前提のサービス設計で、業界転換を考える医師にはやや選択肢が偏ります。また、地方の中核病院案件は他社のほうが豊富という印象もあり、全国転居を視野に入れる場合は他社併用が現実的でした。
06もう一度同じ転職をするか
はい
念願の市中病院移籍ができ、年収アップと当直負担減の両方を実現できました。家族時間を確保しつつ臨床に集中できる環境に移れたので、迷わず同じ選択をします。担当者の医局事情への理解と書面化交渉力が決定的でした。
07これから同じような状況で転職する人へのアドバイス
40代前半外科医で、大学病院常勤の負担に疲弊している方には、まず市中病院移籍を真剣に検討することをおすすめします。市中病院移籍はキャリアダウンではなく、家庭時間確保と臨床力継続の両立を実現する王道パターンです。次に、医師業界に長い経験を持つキャリアコンサルタントがいるエージェントを選ぶことが必須です。医局事情・教授との関係・契約書面化交渉まで踏み込める担当者でないと、移籍後のトラブルが頻発します。応募段階から当直回数・夜間呼び出し・救急受け入れの3条件を明示し、契約書に書面化することを必ず求めてください。後出しにすると入職後に条件が崩れるリスクが高くなります。最後に、症例構成と病院ニーズのマッチングを数値で示すことが、市中病院応募では決め手になります。即戦力性が評価軸の中心なので、術式別・症例別の数値整理に時間をかける価値があります。